
★ 序
縄文土器に惹かれ始めたのはもう何年も前のことです。火焔土器や水焔土器を自分で作ってみたいと思い、3年程前に
試みたことがあります。ところが、焼成の段階で難問に突き当たりました。当時、私は大阪に住んでいたのですが、縄文土器は
窯を使わず野焼きで焼き上げねばなりません。4〜5メートル四方の場所を数時間のあいだ火の海にして焼き上げるという
のが、一般的に知られている野焼きの方法です。相当量の薪を使い、かなり大きな炎があがります。それだけの火を焚き
続ける場所の確保が出来なかったのです。郊外の田んぼの所有者に交渉したこともありましたが、大きな炎が上がると
話すと、土が瓦のようになってしまうと困ると断られたり、どこかの河川敷でやってみようと考えた時には、消防署や警察から
大目玉を食らうぞという忠告を受けて取りやめたこともあります。実際、都会で火を焚くとすぐに消防が飛んできますからねー。
その後、縄文の焼成の方法について調べているうち、もっと洗練された方法が用いられていた事を知りました。火床を
作って、土器を並べ、その上に薪を積んで焼くのは同じです。最近の学説では、さらにその上に枯草を敷いて泥を塗りつけ、
蒸し焼きの状態にしたというのです。中国の雲南省では、今もその方法が残っているそうです。縄文文化圏が中国にまで
及んでいたという証ですね。場所を取らず、薪の量もずいぶん少なくて済むと思われます。それに、私は今、実家のある田舎に
住んでます。今ならば、どんな大きな炎を上げても誰も文句は言いません。
先日、二十五回忌の法事があり、その席で都会に住んでいる従兄が印象的なことを話していました。
「タクシーで来た。制限時速40キロの道路を、みんなが70キロや80キロでびゅんびゅん走っているのを見て大変に驚いた。
運転手さんに、なんで、こんなに飛ばすのかと尋ねると、氏いわく。『ここは、イナカや。』、、、ああ、そうですか、と
応えるしかなかった。」

水焔土器と呼ばれる代表的な縄文式土器。
すてきですー。手始めに、この土器のレプリカを作ってみたいと思います。うつわの部分は手ごねで出来そうです。派手な装飾はへらを使って彫りこめばいいでしょう。問題は、制作中に装飾がうつわの部分を押しつぶしてしまうと思われる点です。基本的に粘土細工は、全体に薄く、うすーくを念頭に置いて作らないといけませんから、自重でつぶれてしまうのです。先にうつわの部分を作っておき、半がわきになったあとで、装飾部分を接着したものではないかと思われます。同時に作るとしたら、装飾に開いた穴に支柱を差し込めばなんとかなりそうですけど、別々に作っても上手くくっつくでしょう。